
- 融資の権限???
- 支店長が全て決めるんじゃないの?
- 事業を始めて数年経つので、いまさら聞けない…
- 融資権限とは
- 裁量と稟議
- 稟議書の回し方

2008年に同志社大学を卒業後、現勤務先の銀行に入社。
2019年にロードバイクに人生をささげた結果、ローン残高300万円・貯金0のダメ銀行員となりました。
しかし、2020年に1冊の本と出会い、節約・資産運用に目覚めます。
2021年4月にローン完済と総資産額500万円を達成した、銀行員歴13年の現役バンカー。サイドFIREを目指し、日々分超中!
詳しくは、自己紹介記事をご覧ください。


【本日の結論】
融資権限とは
銀行の融資審査マニュアルには「融資権限」について定められています。

融資権限???

「融資を決定することができる範囲」のことです。

支店長が全て決めるんじゃないんですか?

違うんです。支店長が決定できる範囲は限られています。
銀行では融資の決裁権限を「裁量」と「稟議」に区別して運用しています。各々の言葉の意味は次のようになります。
- 裁量とは『支店長が決定できる範囲』のこと。
- 稟議とは『支店長が決定できる範囲を超えて「本部」が決定する範囲』のこと。

裁量という言葉はあまり使わないですよね?

使わないですが、言葉の意味は分かります!!

ほんとですか!?

「その人の考えに基づいて判断し処理すること」です。

す、すごい…。前回調子が悪かったので…。

今日はイケる気がします!!!
裁量と稟議
それでは、裁量と稟議をブレイクダウンしていきましょう。
裁量とは、支店長が決定できる融資権限の範囲のこと
裁量とは『支店長が決定できる融資権限の範囲』のことです。


why???

な、なぜ急に英語…。
支店長の権限は『支店のランク』によって変わります。

ランク?

実は各支店はランク付けされています。
本店や業績の良い支店はランクが高くなり、支店長の権限も大きくなります。決定できる事項は、融資金額だけでなく適用金利など。
高ランク支店の支店長は自身で決裁できる融資金額が多く、適用金利も低く設定することができます。

う~ん…。

どうされましたか?

分かんない…。

どの部分ですか?

なぜ支店長はあんなに偉そうなのか…。

そこっ!?
銀行あるあるだけど…。
稟議とは、支店長を超えて「本部」が決定する範囲のこと
稟議とは『支店長が決定できる範囲を超えて「本部」が決定する範囲』のこと。

どういう時に「あんなに偉そうな支店長」を超えますか?

支店長に恨みでも!?
融資金額が1億円の場合、超えます。

い、1億円っ…。
一度でいいから見てみたい!!!

一般の方で、1億円を見れる方は少ないですよね。

稼ぐしかないっ!!稼いで貯めて、増やして稼ぐ!!
金持ちになりて~!!!

キャラが変わってきている…。
支店長の決裁後は、本店の審査部門に決裁が回ります。審査部員の権限も役職によって変わります。

支店長の権限が変わるのと同じ理屈ですね。

支店長…、あの時の借りは必ず返す…。

過去に何があったんだっ!?
もし担当審査部員の権限を越えるようであれば、その上司の審査部員が決裁します。
融資書類のまわし方
融資書類はどのように回っていくのでしょうか。

意見書をセットするんでしたよね!

What 意見書!?

また英語だ…。
意見書ですよ!前回出てきたでしょ!

what do you mean?

復習!
決裁者の人数と銀行員が求められる能力
融資書類の決裁は電子化されています。決裁者の人数は、前回もお話したとおり「裁量」で4人程度となります。
決裁者4人全員が「書類が回ってきたらすぐに決裁してくれるか」というと、当然そういうわけにはいきません。

why???

英語…。
4人全員が支店に揃っている時間が少ないからです。
4人の決裁者には外訪や出張などの予定もあり、決裁はスムーズには進みません。融資書類の作成には次の力が必要です。
- 資料の作成力
- スケジュールの管理力
- スケジュールの逆算力
書類を回すタイミング
書類を回すタイミングにも気を付けなければなりません。

why???

…。
私は、「上司が忙しくない時間帯」に書類を回します。
上司が忙しい時間帯に書類を回すと、やり直しが発生する場合があります。

支店長め…。

支店長じゃないですよ!
支店長と何があったんですか!?
忙しくない時は細かい部分はスルーするのに、忙しい時に限ってやり直しを言い渡されます。
そのため、上司のスケジュールを把握し「上司の忙しくない時間帯」に書類を回す。融資書類のクオリティを上げつつも、違うところにも目を向ける必要があります。
プロジェクト融資の決裁者の人数は10人くらい
融資金額が大きくなるプロジェクト融資の場合は、案件を本店の営業部門と協同して取り組むことがあります。決裁の権限は、金額が大きくなるため『稟議』となります。

稟議とはなんでしたか?

もちろん覚えていますよ!

教えて下さい!

覚えています…。

えっ!?
さっき出てきたばかりですよ…。

…。

「金持ちになりて~!!!」とか言ってるから、頭に入ってないんですよ!

そろそろ仕事に行く準備をしないと!
ブログから離脱します!!!

…。
営業部門まで決裁が回ると、決裁者の総人数は10人くらいになります。決裁までのスケジュールは1週間以上かかる場合が多く、スケジュールの逆算力がより必要です。

- 営業部門:「案件を成約したい」攻めの部門
- 審査部門:「貸倒リスクを考える」守りの部門
と言えるでしょう。
まとめ(復習)

以上、融資権限についてお話しました。
復習すると、
- 融資権限とは:「融資を決定することができる範囲のこと」
- 裁量と稟議「銀行では融資の権限を、裁量と稟議に区別して運用している」。
- 融資書類の回し方:「銀行員は書類を回すタイミングにも気を使っている」。
銀行の内部事情をある程度知っていると、
- 案件の相談を前倒しする
- 前もって資料を渡しておく
次回テーマと今日は何の日?
ご質問などあれば、お気軽にお問い合わせください。
さて次回は、これまでの「お金の借り方」をまとめてみたいと思います。

今日は夏風呂の日だそうです。
どのようにお過ごしですか?
それではまた。
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