
- そもそも運転資金ってなに?
- 事業の運転資金はいつ必要になるの?
- 事業を始めて数年経つから今さら聞けない…。
- 運転資金とは
- 運転資金の計算方法
- 運転資金の調達方法

2008年に同志社大学を卒業後、現勤務先の銀行に入社。
2019年にロードバイクに人生をささげた結果、ローン残高300万円・貯金0のダメ銀行員となりました。
しかし、2020年に1冊の本と出会い、節約・資産運用に目覚めます。
2021年4月にローン完済と総資産額500万円を達成した、銀行員歴13年の現役バンカー。サイドFIREを目指し、日々奮闘中!
詳しくは、自己紹介記事をご覧ください。
【現役銀行員ブロガー】同志社大卒現役バンカーの自己紹介と銀行の話!


【本日の結論】
運転資金=事業を続けるための資金

運転資金とはどんなものですか?

運転資金とは「事業を続けるために必要となる資金」のことです。
例えば次のようなものです。
- 仕入資金
- 人件費支払資金
- 経費支払資金 など
運転資金が必要になる理由は売上代金が入金されるまでの間に資金を立て替えるため

なぜ運転資金が必要になるのですか?

事業のお金のやり取りの主流は、掛取引であるからです。

掛取引であればどうなりますか?

経費などの支払いが、売上代金の入金の前に発生する場合があります。

売上代金が入ってこないのに、先に支払いがあるんですか?

そうです。
売上代金が手元にないので、資金を立て替える必要があります。
つまり運転資金が必要な理由は、「売上代金が入金されるまでの間に資金を立て替えるから」となります。

なるほど。なんとなく分かります。
運転資金の種類
運転資金にはいくつか種類がありますが、今回は次の2つを紹介します。
- 増加運転資金
- 季節運転資金
増加運転資金とは売上が伸びている時に発生するもの
売上が伸びている場合、仕入や人件費などの費用も増加します。
増加運転資金とは、仕入などの増加した費用を補うために必要な資金のことです。
季節運転資金は特定の時期に発生するもの
ある特定の時期に仕入や人件費などの費用が多く発生する場合があります。

例えばどんな時ですか?

「イベント開催に伴う仕入資金」や「夏・冬のボーナス支払資金」などです。
季節運転資金とは、イベント開催などの特定の時期に増加した費用を補うための資金のことです。
運転資金の計算方法

運転資金はどうやって計算しますか?

運転資金の計算式は、
「売上債権+棚卸資産-買掛債務」となります。

すいません!! 思考停止しました!!
ブログから離脱します!!

落ち着いて下さい!
ブレイクダウンすれば難しくないので、ひとつずつ見ていきましょう。

わかりました。少し落ち着きます。
売上債権とは売掛金と受取手形のこと
売上債権とは売掛金と受取手形のことです。

いきなり分かりませんが…。

「商品などを販売したものの、代金の回収が未了の状態」のことです。

お金が入金されていないということですね。
棚卸資産とは商品在庫のこと
棚卸資産とは商品の在庫のことです。

これはなんとなく分かる気がします。

よかったです。
「仕入した商品が在庫として残っている状態」のことです。
在庫を現金化するためには、販売しなければなりません。

お金の入金まで時間がかかるということですね。
買掛債務とは買掛金と支払手形のこと
買掛債務とは買掛金と支払手形のことです。

また分かりませんが…。

「商品などを仕入れたものの、代金の支払いが未了の状態」のことです。

お金はまだ手元にある状態ですね。

そうですね。
では運転資金を実際に計算してみましょう。
実際に計算してみよう
例えば、次のような企業があったとします。
- 売上債権が100万円(お金の入金がまだ) …①
- 棚卸資産が100万円(お金の入金がまだ) …②
- 買掛債務が100万円(お金の支払いがまだ)…③

数式に当てはめるとどうなりますか?

①100万円+②100万円-③100万円=100万円になります。

そうですね。
この企業が事業を続けるためには100万円の資金が必要になります。

良く分からないです…。

- ①と②の合計200万円はお金が手元にない状態。
- ③の100万円はお金をまだ払わなくていい状態。
- 差額100万円が支払いのために必要なお金。
つまり、この差額100万円が運転資金になります。

なんとなく分かった気がします!!
保証協会融資の短期借入から始める
それでは、運転資金を調達するには何から始めればいいのでしょうか。前回の記事で「プロパー融資の審査はハードルが高い」とお話しました。
返済実績や信用が積み重なっていない中、プロパー融資を申込みしても断られる可能性が高いです。

どうすればいいですか?

前回お話しした通り、
まずは保証協会融資にて返済実績を積み上げていきましょう。

借入の期間はどうすればいいですか?

短期借入にて検討すると良いでしょう。
手元資金に余裕がある時こそ返済実績を作っておく
いまは手元資金に余裕があり、借入れする必要がない場合もあるでしょう。そしていつも「お金を借りる目的を明確にしよう」とお話しています。
銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れた日に傘を貸す
昔から「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れた日に傘を貸す」という言葉があります。

ドラマ半沢直樹でも取り上げられたセリフですね。

そうですね。
この言葉からは「銀行は身勝手」というイメージが連想されますが、銀行員の私としては歯痒いところです。
なぜなら、お客様への貸し出しの原資は別のお客様からお預かりしている大切な預金であるからです。

雨の日に傘を取り上げることはなくても、貸し出し対応が難しくなることは想像できます。

そうですね。
パン屋さんの例で考えてみましょう。
パン屋さんの例で考えてみよう。やっぱり貸し出し対応は難しい?
「企業Aは自社でパンを製造しており、地元のパン屋Bさんに販売しています。ここ数ヵ月、パン屋Bさんの代金の支払いは遅れがちです。そんななかパン屋Bさんから、代金の支払条件を1ヵ月から3ヵ月に延ばして欲しいと依頼がありました」。
この場合、企業Aはパン屋Bさんとの取引を続けることができるでしょうか。

パン屋Bさんを応援するため、販売を続けるべきだと思います。

その通りですね。
しかしパンの代金が回収できなくなるリスクもありますね。
この例を銀行に当てはめると、雨の日(業績が悪い時)は貸し出し対応がどうしても難しくなってしまいます。
晴れた日に銀行からお金を借りて返済実績を作り、雨の日に傘を取り上げられないよう信用を積み重ねておく

shuheiさん、この言葉を次のように考えてはどうですか?

なるほど!!
当然ながら無理に借入する必要はありませんが、保証協会融資・短期借入であれば返済は1年以内に終了します。
まとめ(復習)

以上、運転資金の調達についてお話しました。
復習すると、
- 運転資金とは事業を続けるための資金のこと:「運転資金が必要になる理由は、売上代金が入金されるまでの間に資金を立て替えるため」
- 運転資金の計算方法:「売上債権+棚卸資産-買掛債務」。
- 保証協会融資の短期借入から始める:「手元資金に余裕がある時こそ返済実績を作っておく」。
でした。
企業にとって資金は血液です。
最後に(次回テーマと今日は何の日?)
ご質問などあれば、お気軽にお問い合わせください。
さて次回は、設備資金についてお話します。

今日はボウリングの日だそうです。
どのようにお過ごしですか?
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